どうも!「緑のたぬき」派の元自衛官・ひだりゅー(@dakahi3776)です。
84番札所「屋島寺(やしまじ)」は、那須与一の扇の的で有名な源平合戦の古戦場「屋島」の南嶺に建つお寺であります。
それ以外にも狸の総大将「太三郎狸」を始めとした「たぬき信仰」や変わった形の「宝物館」などが見どころであります。
お遍路さんだけではなく、一般観光客が訪れてもグッドなスポットですよ!
(参拝した日:2015年11月4日)
目次
屋島寺の歴史
奈良時代中期、天平勝宝6年(754年)に唐から来日した鑑真が屋島の北嶺に普賢堂を建て、持参していた普賢菩薩像と経典を納めて創建したと伝えられています。
その後、鑑真の弟子である恵雲が堂塔を建立して精舎を構え、「屋島寺」と称し初代住職に就任しました。
平安時代に入った弘仁6年(815年)、弘法大師が嵯峨天皇の勅願を受けて屋島寺を訪れ、北嶺にあった伽藍を現在地の南嶺に移します。
その際、十一面千手観音像を彫造し、本尊として安置しました。
屋島寺は、山岳仏教の霊場としても隆盛し、天暦年間(947年~57年)には、明達律師が四天王像を奉納。
現在の本尊・十一面千手観音坐像はこの当時に造られ、国の重要文化財に指定されています。
後に寺運は戦乱によって衰退してしまいますが、国主・生駒氏の寺領寄進や、歴代藩主の援助により相次いで修築され、伝統を残しつつ現代に至ります。
狸の総大将「太三郎狸」と蓑山大明神
屋島を語る上で忘れられないのが「狸」の存在です。
あるタヌキが矢傷で死にかけたところを清盛の後継者と目された武将「平重盛」に助けられ、その恩義から平家の守護を誓いました。
その子孫が太三郎狸といわれており、平家の滅亡後は太三郎狸は屋島に住みつき、屋島に戦乱や凶事が起きそうなときはいち早く屋島寺住職に知らせたそうな。
彼の変化妙技は日本一と称され、やがて四国の狸の総大将の位にまで上り詰め、佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸とともに「日本三名狸」と呼ばれることとなったのです。
他の伝説では、盲目のために難儀する鑑真を道案内したとも言われます。
また、弘法大師が霧深い屋島で道に迷った折、老人に化けて道案内をしたという伝承も残されています。
近代では、日清戦争・日露戦争で太三郎狸は多くの子分たちと共に満州へ出征して、得意の变化術で日本軍に勝利をもたらしたなんて話も(何歳まで生きてるんだよ・・・)
そんなこんなで、太三郎狸は屋島で数多くの善行を積んだため、「蓑山大明神」の法名で土地の氏神として本堂の横に祀られました。
タヌキの習性は一夫一婦制とされることから、蓑山大明神は家庭円満や縁結びの神とされています。
また商売繁盛、水商売の神でもあり、子宝や福運をもたらすともいわれ、全国から大勢の観光客が太三郎狸に会いに訪れるんですって!
鳥居の奥、本堂横にある「蓑山塚」には、参拝者が残したタヌキの置き物が多く置かれていました。
納経所では「仲良しお目出た狸」というお守りが授与されているので、幸運が欲しい方はぜひ買ってみては?
出典:だるろぐ
余談ですが、スタジオジブリが1994年に公開したアニメーション映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のキャラクターである「太三朗禿狸」のモデルが「太三郎狸」だったりします。
なんと御年999歳!
イキスギィ!
境内の施設
屋島ドライブウェイ|源平古戦場の景観が広がる
車遍路の場合、屋島寺へ行くには「屋島ドライブウェイ」を通らなければなりません。
私が行った頃は有料道路だったのですが、2017年7月21日より「無料」で開放されているそうです。
2017年9月現在、エンジン排気量125cc以下の二輪車(原動機付自転車を含む)や軽車両、歩行者は通行できないので要注意!
↑途中の展望所からの景色
こんな独特の景観の他に、実際には上り坂なのに目の錯覚で下り坂に見えるという「ミステリーゾーン」なるものも!?
詳細はまた別記事で書くつもりなので、乞うご期待!
仁王門&四天門|歩き遍路の入口
歩き遍路の入口。
屋島寺へ参拝するには、写真手前の「仁王門」とその奥に薄っすらと写る「四天門」の二つをくぐり抜けます。
車で参拝の際でも、「屋島ロープウェイ」跡へ向う場合はここを通る必要があります。
東大門|車遍路の入口
車遍路の場合の入口。
大きくて立派な形容をしており、こっちが正規の山門だと思ってる方も多いかも?
本堂|堂宇、本尊共に国の重要文化財
江戸時代初期の元和4年(1618年)に鎌倉時代の部材を利用して竜厳上人が再建したものです。
本尊・十一面千手観音坐像と共に国の重要文化財に指定されています。
なお、本尊は宝物館に安置されており、拝観可能。
大師堂
歩き遍路の場合、四天門を通って本堂の手前を右に進むと大師堂へ辿り着きます。
車遍路で東大門から入った場合、手前から千体堂、三体堂、大師堂の順番で並んでいます。
(「屋島寺の歴史」で貼った写真がわかりやすいかと。)
大師堂右手に立つ三体堂では、屋島寺の開基「鑑真」が祀られており、拝顔が可能です。
宝物館
本堂に隣接する、貴重な寺宝や源平合戦に関する宝物などを収めた資料館。
「源氏の白旗」や、那須与一の扇の的を描いた「源平合戦絵図」などの絵画などが収蔵されています。
また、本尊「木造千手観音坐像」も宝物館に収納されています。
【営業時間】9:00~17:00
【入館料】大人500円・中学生以下300円
ギャラリー
その他、いい写真や紹介したいスポットが多々ありますので、ここで紹介していきます。
1)麓から見上げる屋島
結構独特の形をしています。
2)屋島北陵
弘法大師が訪れるまで、こちらの北陵に屋島寺が建てられていました。
3)屋島寺駐車場から高松市街と瀬戸内海を望む
4)赤くない血の池
源平合戦の頃、武士たちがここで血刀を洗ったため池が真っ赤に染まり、「血の池」と呼ばれるように。
5)タヌキ天国の中にキツネ?
境内にある「稲荷神社」でお稲荷さんことキツネが祀られていました。
なお、参拝中に鳥の糞が頭にぶつかった模様。絶許。
6)座らせる気のないベンチ
B級感が溢れるこういう風景は個人的に好きですw
屋島寺へのアクセス
〒761-0111
香川県高松市屋島東町1808
その他情報
寺名 | 南面山 千光院 屋島寺 |
宗派 | 真言宗御室派 |
本尊 | 十一面千手観世音菩薩 |
創建 | 天平勝宝年間(749〜756年) |
開祖 | 鑑真和上 |
真言 | おん ばさら たらま きりく |
ご詠歌 | 梓弓 屋島の寺に 詣でつつ 祈りをかけて 勇むもののふ |
駐車場 | 山上駐車場・400台 普通(300円) 二輪車(200円) バス(1200円) |
宿坊 | なし |
電話 | 087-841-9418 |
前後の札所
83 一宮寺 -- (13.6km)-- 84 屋島寺 -- (5.4km)-- 85 八栗寺
by.ひだりゅー@元自衛官
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