どうも、元自衛官ひだりゅー(@dakahi3776)です。
今回紹介するのは、香川県善通寺市にある74番札所「甲山寺(こうやまじ)」。
この霊場には、弘法大師が民衆と協力して、日本最大の溜池「満濃池(まんのういけ)」の工事を完遂させた伝説が残されていました。
(参拝した日:2015年10月27日)
甲山寺の歴史
弘法大師の出生地は現在の香川県善通寺市で、甲山寺周辺は幼少期によく遊んだ場所だといわれています。
壮年期になった弘法大師は寺を建立するため、懐かしの甲山を歩いていると麓の岩窟から老人が現れ、「ここに寺を建立すれば私がいつまでも守護しよう。」と、言われました。
この地の岩窟に住む毘沙門天の化身と悟った弘法大師は大変喜び、この岩窟に自作の毘沙門天像を祀りました。
その後、嵯峨天皇の勅命を受けて、大師は日本最大の溜池「満濃池(まんのういけ)」の修築工事の監督に任命されました。
これは朝廷が派遣した築池使さえも達成できなかった難しい工事です。
大師は甲山の岩窟で修復工事の完成を祈願し、薬師如来像を刻んで修法しました。
すると彼を慕って数万の人々が集まり、力を合わせてわずか三ヶ月でこの大工事を完遂させました。
その功績に対して朝廷から二万銭が与えられ、その一部によって堂を建立したのが甲山寺の始まりと現代に伝えられています。
甲山寺の施設
山門
甲山寺へ参拝するには、目の前にある砕砂工場前を通ります。
今までいろんな札所を見てきましたが、目の前に工場が建っているのは初めて見たので、個人的にちょっとビックリしました。
正直、道を間違えたんじゃないかと思ったくらいですw
さて、工場の脇を抜けて進むと甲山寺の山門が見えてきます。
2008年に落慶したばかりの比較的新しい門で、境内にはもう一つ中門が建っています。
本堂
毘沙門天伝説が残るので、てっきり本尊は毘沙門天と思いきや、満濃池工事の際に彫刻した薬師如来像が本尊だったりします。
境内の裏山が「甲山」と名付けられたのも、山の形が毘沙門天の兜の形に似ているからなんですって。
大師堂
本堂左手に位置するのが甲山寺の大師堂。
大師堂へ続く石段の隣に祀られたお地蔵様は子宝にご利益があります。
子宝を願ってお地蔵様の前掛けを持ち帰り、叶うと新しい前掛けを持ってくる習わし。
奥の院・毘沙門天の岩窟
トンネルとお堂が合体したようなこの岩窟には、大師が彫ったといわれる毘沙門天像が祀られています。
岩窟の奥行きは12m。
「ここに寺を建立すれば私がいつまでも守護しよう。」
と、毘沙門天の化身である老人の約束が、創建から1200年経った現在でも守られているのは、なんだかロマンティックですね。
甲山寺へのアクセス
〒765-0071
香川県善通寺市弘田町1765-1
その他情報
寺名 | 医王山 多宝院 甲山寺 |
宗派 | 真言宗善通寺派 |
本尊 | 薬師如来 |
創建 | 平安時代初期 |
開祖 | 弘法大師 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
ご詠歌 | 十二神 味方に持てる 戦には おのれと心 甲山かな |
駐車場 | 普通車70台、大型車15台 マイクロバス20台 無料 午前7時〜午後5時 |
宿坊 | なし |
電話 | 0877-63-0074 |
前後の札所
73 出釈迦寺 -- (2.2km)-- 74 甲山寺 -- (1.6km)-- 75 善通寺
by.ひだりゅー
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