どうも、元自衛官ひだりゅー(@dakahi3776)です。
ここ、71番札所「弥谷寺(いやだにじ)」の本堂を参拝するためには、540段の石段を登らなければならず、車遍路の方にとってはへんころがしとも言える存在であります。
が、その分他の霊場よりも見所が多く、本堂まで行けば三豊平野の景観が広がります。
(参拝した日:2015年10月27日)
目次
弥谷寺の歴史
今からおよそ1300年前、聖武天皇の勅願により行基が堂宇を建立し、光明皇后(聖武天皇のおば)の両親の菩提を弔うため、大方広仏華厳経を祀り、寺院を創建したとされます。
当初は中国、四国地方の八国が眺められたことにちなみ蓮華山八国寺と称し、弘法大師は7歳から12歳の間、当寺にある岩窟「獅子之岩屋」で学問に励んだと言われています。
807年(大同2年)、唐より帰国後の弘法大師はこの地を再び訪問しました。
その際、蔵王権現のお告げにより千手観音を安置し、唐から持ち帰った金銅四天王五鈷鈴を納め、伽藍を再興したと伝えられます。
また、求聞持法を修していると五本の剣が落ちてきたことから山号を剣五山、谷が多いことから寺名を弥谷寺と改めました。
戦国時代、天正期に兵火により荒廃するも、丸亀藩主京極氏の帰依により1600年(慶長5年)復興されました。
境内の施設|540段の石段
俳句茶屋~仁王門
麓から本堂を目指す人の前に立ちはだかるは88ケ所でも最大級の540段の石段!
さて、540段の石段の前に建っているのが名物・俳句茶屋であります。
お遍路さんが一句したためていくことで有名で、店内にはたくさんの俳句の短冊が飾られていました。
皆さんも参拝後の休憩にぜひ入ってみてはいかがでしょうか?
俳句茶屋を進み、急な階段を登ると弥谷寺の山門がどっしりと構えています。
なお、山門から本堂までの石段の数が540なので、ここからが本番ということになります。ま、マジか・・・
賽の河原~百八階段
仁王門から金剛拳菩薩像までの270段が、神仏の世界に足を踏み入れる意味を込めて「賽の河原」と呼ばれています。
このワイルドな石段を登っていくと・・・
金剛拳菩薩が優しい顔で私達を応援してくれました。
この像は江戸時代に完成したもので、病にご利益があるとされています。
金剛拳菩薩のすぐ横には、真っ赤な手すりの「百八階段」があり、ここを登れば大師堂へと至ります。
この「108」という数字は、108の煩悩を落とす、四苦八苦を落とす(4×9+8×9)などの意味があるそうです。
ちなみにオシャレ系女子に人気の「109(イチマルキュー)」は東急が経営しており、社名の「とお・きゅう」をもじって「109」と名付けられたそうです(71へぇ)
護摩堂~水場の洞
百八階段を登りきると正面に大師堂が見えますが、お遍路の参拝順路に則り、まずはスルーして本堂を目指します。
上のマップを見ればわかるように、多宝塔経由か護摩堂経由かの2ルートがあり、今回私は護摩堂経由で本堂へ向かいました。
なお、本堂まで残り160段・・・
相変わらず階段の傾斜がヤバいです。
さて、頑張って登っていくと岩窟の護摩堂がありました。
内部は手彫りの洞穴で、台座に石仏と座禅を組むお坊さんの石像が安置されていました。
中に入ると昔の修験者らや修行僧らの姿が思い浮かび、自分も思わず座禅を組みそうになってしまいました。
更に進むと「水場の洞」があります。
この洞穴の先に神仏が住む世界に繋がっていると言い伝えられています。
本堂~阿弥陀三尊磨崖仏
仁王門から540段の石段を登った先に弥谷寺本堂が建っています。
ここから眺める三豊平野の景色は絶景!!
・・・のハズなのですが、ひだりゅーこれをまさかのスルー。
それだけ疲れていたんですよ、はい。
本堂から少し下った場所には、岸壁に彫られた阿弥陀三尊磨崖仏が残っていました。
雨にも負けず、風にも負けず、今後も参拝者らを見守ってほしいですね。
大師堂・護摩堂
本堂から石段を下り、大師堂へと戻ります。
なお、大師堂までは上り送迎バス(片道500円・往復750円)がありますので、足が悪いけど参拝希望の方はぜひ利用してみては?
履物を脱いで大師堂内に入ることが出来ます。
ツアー遍路さんらが参拝する図。
皆が先達に続いて合唱する様はなんだか異質で、本当に神仏の世界に来てしまったかのように錯覚してしまいました。
大師堂に隣接する護摩堂では、愛染明王、不動明王、地蔵菩薩が参拝出来ます。
奥の院「獅子之岩屋」・洞地蔵尊
大師堂の建物内には、奥の院「獅子之岩屋」があります。
獅子が咆哮をあげた形に見えることから名付けられ、この岩屋の前で信心をおこし参拝する事で、「その身につくあらゆる厄災を獅子が食べ尽くし、その身を護る」と、言い伝えられています。
また、弘法大師が9~12歳の頃、岩屋の窓から明かりを取り込み、写経や学問に昼夜問わず励んだそうです。
獅子之岩屋に向かう途中の大師堂内より参拝できる洞地蔵尊(ほらぢぞうそん)は、首から上の病に御利益があるといわれるお地蔵様で、座って岩壁の10m上方を見上げないと姿を見る事が出来ません。
どこと無く、30番札所 善楽寺の梅見地蔵に似ていますね。
弥谷寺へのアクセス
〒767-0031
香川県三豊市三野町大見70
その他情報
寺名 | 剣五山 千手院 弥谷寺 |
宗派 | 真言宗善通寺派 |
本尊 | 千手観世音菩薩 |
創建 | 天平年間(729〜749年) |
開祖 | 行基 |
真言 | おん ばざら たらま きりく |
ご詠歌 | 悪人と 行き連れなんも 弥谷寺 只かりそめも 良き友ぞよき |
駐車場 | 道の駅前、弥谷寺参道入口に無料駐車場あり |
宿坊 | なし |
電話 | 0875-72-3446 |
HP | 四国霊場71番大本山弥谷寺【公式HP】 |
前後の札所
70 本山寺 -- (11.3km)-- 71 弥谷寺 -- (3.5km)-- 72 曼荼羅寺
by.ひだりゅー
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