どうも、よく一つの体に2つの人格が備わっていると言われるAB型の元自衛官ひだりゅー(@dakahi3776)です。
さて、今回紹介する札所は四国88ケ所の中でもかなり特殊な霊場となっています。
というのも、68番札所神恵院(じんねいん)と69番札所観音寺(かんのんじ)は、なんと同じ境内の中にあるのです!
当記事では、なぜそうなったかというのも説明しつつ、この二つのお寺の見どころを紹介していきます。
ではでは、どうぞ~
(参拝した日:2015年10月27日)
目次
神恵院と観音寺の歴史
開基
68番札所神恵院と69番札所観音寺は開基も創建の時期や由縁も同じであります。
大宝三年(703年)、法相宗の高僧・日証上人が琴弾山山頂で修行をしていたところ、鎮西宇佐の宮(現大分県・宇佐神宮)より八幡大菩薩が降臨し、海の彼方には神船が琴の音と共に現れました。
上人は、里人と共に神船と琴を引き上げて、山頂に琴弾八幡宮を建立し祀りました。
このとき、一緒に建てられた神宮寺(仏教の僧侶が神祇に奉仕するために、神社の境内などに建立された寺院)がそれぞれの霊場の起源とされています。
弘法大師の時代
時は平安の世に移り、唐より帰国した弘法大師が、大同二年(807年)にこの地に訪れました。
大師は、琴弾大明神が乗っていた神船は神功皇后とゆかりがあり、観音の化身であると感得。
そこで奈良の興福寺を模して、琴弾山の中腹に七堂伽藍を整備し、薬師如来・十二神将・聖観世音菩薩・四天王等の尊像を刻み、山号を七宝山、寺号を観音寺と改めました。
大師はしばらくの間、観音寺に留まり第七世住職を務めたそうです。
また同じ頃、弘法大師が琴弾八幡宮の本地仏である阿弥陀如来を描いて本尊として祀り、八幡宮の別当寺(神社を管理するために置かれた寺のこと)に神恵院をあてました。
以来、江戸時代までは、琴弾八幡宮が第68番札所、観音寺が69番札所として機能していました。
神仏分離令で1境内2札所の形態へ
元々は、別の位置にあった二つの札所が統合されるのは明治になってからです。
明治初年に発令された神仏分離令で琴弾八幡宮は、琴弾神社と神恵院に分離されます。
その結果、琴弾八幡宮は四国霊場から切り離され、別当寺であった神恵院は山のふもとにあった観音寺の境内に移されました。
こうして1つの境内に2つの札所が存在するという四国霊場で唯一無二の形態となり、現在に至ります。
境内の施設
共通の山門
境内入口の「山門(仁王門)」は神恵院・観音寺で共通となっています。
琴引八幡宮から下って参拝する際はここを通らないので要注意。
68番神恵院・本堂|コンクリート打ちっぱなし!?
コンクリ打ちっぱなしのこのカッコいい建物が2002年(平成14年)に新築された神恵院の本堂です(マジ)
にわかには信じられませんが、入口を入って階段を登っていくと・・・
これまたコンクリ打ちっぱなしのクールな本堂の姿が!?
お堂の中では、八幡大菩薩の本地仏(神の正体とされる仏)である阿弥陀如来を祀っています。
なお、この本堂が新築される以前は、観音寺の薬師堂が本堂として使われていたそうです。
まさに1境内2札所故に成せる技ですねw
68番神恵院・大師堂
元々あった神恵院大師堂が台風で失われたので、十王堂の右半分が大師堂になっています。
向かって右側が大師堂で左側は閻魔堂となっています。
大師像を拝顔できます。
69番観音寺・本堂(金堂)
室町時代の大永5年(1525年)12月に建立された歴史をもつ朱色のお堂で、国の重要文化財に指定されています。
本堂には「常州下妻庄…貞和三年…」など、古くは南北朝時代の落書きが残されており、遍路文化を探る上で貴重な資料とされています。
堂内では、本尊・聖観世音菩薩、脇侍に釈迦如来、薬師如来が安置されています。
69番観音寺・大師堂
本堂と同じく朱色に塗られたお堂。
ペアルックかw
大師像を拝顔できます。
巍巍園(ぎぎえん)
出典:Wikipedia
68番神恵院大師堂及び十王堂背後にある山の斜面と岩石、流水を巧みに利用した回遊式の庭園。
室町時代、第45世大政大僧正道尊和上が造ったといわれ、春にはツツジ、秋は紅葉の景色を楽しめます。
68番神恵院・奥の院「琴弾八幡宮」|かつての第68番札所
琴弾山の山頂に鎮座しており、神仏習合の時代にはここが四国八十八箇所第68番札所でした。
現在では、新四国曼荼羅霊場23番。及びさぬき十五社の14番の札所です。
琴引八幡宮については、姉妹サイト「トラベルライダー」にて詳しく紹介していきたいかと思いますので、お楽しみに!
神恵院・観音寺へのアクセス
〒768-0061
香川県観音寺市八幡町1-2-7
その他情報
68番・神恵院
寺名 | 七宝山 神恵院 |
宗派 | 真言宗大覚寺派 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
創建 | 大宝3年(703年) |
開祖 | 日証上人 |
真言 | おん あみりた ていぜい からうん |
ご詠歌 | 笛の音も 松吹く風も 琴弾きも 歌うも舞うも 法のこえごえ |
駐車場 | 普通 約20台・中型10台・大型5台 午前7時〜午後5時・無料 |
宿坊 | なし |
電話 | 0875-25-3871 |
HP | 神恵院 観音寺 |
69番・観音寺
寺名 | 七宝山 観音寺 |
宗派 | 真言宗大覚寺派 |
本尊 | 聖観音世音菩薩 |
創建 | 大宝3年(703年) |
開祖 | 日証上人 |
真言 | おん あろりきゃ そわか |
ご詠歌 | 観音の 大悲の力 強ければ 重き罪をも 引き上げてたべ |
駐車場 | 普通 約20台・マイクロバス10台・大型5台 午前7時〜午後5時・無料 |
宿坊 | なし |
電話 | 0875-25-3871 |
HP | 神恵院 観音寺 |
前後の札所
67 大興寺 -- (8.7km)-- 68 神恵院 & 69 観音寺 -- (4.5km)-- 70 本山寺
by.ひだりゅー
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