どうも、元自衛官ひだりゅー(@dakahi3776)です。
今回紹介する67番札所「大興寺(だいこうじ)」は、空海の真言宗と最澄の天台宗が同居していたという珍しい過去を持つ霊場であります。
また、運慶作とされる四国霊場最大級の金剛力士像や、弘法大師お手植えと伝えられるカヤやクスの大樹も見所です。
(参拝した日:2015年10月26日)
大興寺の歴史
寺伝によれば、天平14年(742年)熊野三所権現鎮護のために東大寺末寺として現在地よりも約1キロ北西に建立されました。
弘仁13年(823年)、火災により焼失していた諸堂を嵯峨天皇の勅願により、弘法大師が本尊に薬師如来、脇侍に不動明王と毘沙門天を刻んで堂宇を建立し、再興させたと伝えられています。
現在の大興寺は真言宗の寺院ですが、伝教大師(天台宗の開祖・最澄)の影響で天台宗に属していた時期もありました。
その影響なのか、同じ境内で真言宗24坊、天台宗12坊の僧堂が連ね、空海と最澄の教えを同時に修行する道場として栄えました。
戦国時代末期である天正年間(1573年~1592年)、長宗我部元親の兵火により本堂を残してことごとくを焼失します。
その後、慶長年間(1596〜1615)、現在地に再建されます。
境内の施設
山門|運慶作の力強い金剛力士像
鎌倉時代、文保2年(1318年)に建立されたとされます(恐らく金剛力士像のことだと思われます)
境内を守護する二体の金剛力士立像は、仏師として名高い運慶の作と伝えられています。
像高314cmで八十八ヶ所中最大級の力士像といわれ、香川県有形文化財に指定されています。
なお、本堂の裏側からなら階段を登らずに本堂に至ることができますが、納経をお願いすると仁王門から入り直しなさいと断られるそうです。
大師お手植えとされるカヤとクス
大興寺の石段の右手には、弘法大師が植えたと伝えられるカヤとクスノキの大樹があります。
まずはカヤの木。
樹高20m、樹齢およそ1200年余りで、大師が植えたという伝説も信憑性を増す立派な古木です。
続いては、クスノキ。
樹高25m、樹齢700年の大樹で、写真ではわかりにくいですが古木なだけあってめちゃくちゃ枝分かれしていました。
本堂
江戸時代、寛保元年(1741年)に再建されたもの。
本堂内では、赤い蝋燭を7日間灯し祈祷して貰う「七日燈明」が行われます。
病気平癒、安産、良縁などのご利益があるそうなので、試してみては?
本尊開帳は60年に一度で、最新のものは2017年3月26日から5月8日まで行われていました(←めっちゃ最近やん!)
2つの大師堂
本堂の左奥に大師堂があり、ここには弘法大師像の他、脇陣に胎蔵界大日如来坐像と如意輪観音が安置されています。
また、真言宗と天台宗が同居していた過去から、境内には天台宗の第三祖・智顗(ちぎ)を祀る「天台大師堂」が建てられています。
大興寺へのアクセス
〒768-0101
香川県三豊市山本町辻4209
その他情報
寺名 | 小松尾山 不動光院 大興寺 |
宗派 | 真言宗善通寺派 |
本尊 | 薬師如来 |
創建 | 天平14年(742) |
開祖 | 弘法大師 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
ご詠歌 | うえおきし 小松尾寺を ながむれば 法の教えの 風ぞ吹きける |
駐車場 | 普通10台・無料・終日 |
宿坊 | なし |
電話 | 0875-63-2341 |
前後の札所
66 雲辺寺 -- (9.4km)-- 67 大興寺 -- (8.7km)-- 68 神恵院 & 69 観音寺
by.ひだりゅー
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