どうも、常に高みを目指す男・元自衛官ひだりゅー(@dakahi3776)です。
今回紹介する66番札所「雲辺寺(うんぺんじ)」は、標高911mと四国八十八ヶ所の札所の中で最も標高が高い寺院です。
また、讃岐国の霊場でありながら、寺の住所が徳島県となっているのもこれまたユニークであります。
当サイトでは、その広大な境内の一部を紹介していきたいかと思います。
紹介しきれなかった分は、姉妹サイト「トラベルライダー」にて、後ほど別記事を作る予定ですので、そちらも乞うご期待あれ!
(参拝した日:2015年10月26日)
目次
雲辺寺の歴史
弘法大師がこの地を訪れたのは3回。
まず最初は789年(延暦8年)。
大師がまだ佐伯真魚と呼ばれていた16歳の頃、故郷に善通寺(75番札所)を建立するための建材を求めてこの地を訪れ、深遠な霊山に心うたれて堂宇を建立しました。
これが雲辺寺の起源とされています。
2回目は大同2年(807年)、大師34歳のときに唐から請来した宝物で秘密灌頂の修法を行いました。
3回目は弘仁9年(818年)、45歳だった大師は嵯峨天皇の勅願で本尊を彫造して、仏舎利と毘廬遮那法印(仏法石)を山中に納めて七仏供養をし、霊場と定めたそうです。
その後、雲辺寺は「四国高野」と称され、四国の各国から馳せ参じる僧侶たちの学問・修行の道場となりました。
1098年(承徳2年)火災で全山消失するも、その後に鹿を追って当地に入った猟師・米成は樹上に現れた観音菩薩の威厳にうたれ発心し、堂宇の再建を果たします。
1577年(天正5年)、四国制覇を狙う土佐の戦国大名・長宗我部元親が雲辺寺に訪れ四国統一の夢を語った際、当時の住職だった俊崇坊が
「薬缶の蓋では水瓶の蓋はできません。あなたも四国全土を覆える器ではなく、土佐一国の器です」
と、諭したという逸話が残っています。
その後、1585年に四国を統一した元親でしたが、奇しくも羽柴秀吉の四国征伐により、伊予・阿波・讃岐を失い、天下統一の夢は破れました。
ってか、数々の寺を焼き払った元親に意見するとは、この住職大物過ぎる・・・
境内が山の上にあることから、長い間「へんころがし」と呼ばれる難所でありましたが、1987年(昭和62年)に香川県観音寺市側の山麓と雲辺寺ロープウェイによって結ばれたため、気軽に訪れやすい寺となりました。
境内の施設
雲辺寺境内のMAP
「四国高野」と称されるだけあって、雲辺寺の境内はめっちゃ広いです。
宗教施設の他にも、「スノーパーク雲辺寺」なるスキーやスノーボード、パラグライダーなどが行える施設が隣接しています。
もし境内の全てを見ようと思えば結構時間がかかりますので、時間に余裕を持った参拝をお勧めします。
山門|真新しい仁王門
山門が上記のマップにも載っていないことから考えて、比較的最近建てられたと考えられます。
こらそこ、写真見りゃわかるとか言わないw
山門横の手水舎には、その年の厄年が書かれた「なすび」の石版が。
後で紹介する「おたのみなす」といい、このお寺は茄子が好きらしい・・・
本堂|本尊は国重要文化財
2009年(平成21年)に落成したばかりの新しい建物。
現存する本尊・木製千手観音像は平安末期に彫像されたもので、国の重要文化財に指定されています。
木製の本尊は背後の宝物館に安置されており、本堂には石像千手観音が鎮座しています。
大師堂|拝殿と奥殿に別れる
山門から登ってそのまま正面方向に進んだ先に大師堂があり、そのため僕は思いっきり参拝順路を間違えた記憶がありますw
写真は拝殿で、履物を脱いで回廊を回って裏に行くと、大師堂奥殿が建っています。
大師堂をナビゲートする石板の脇に置かれた信楽焼(しがらきやき)の狸がいい味出してた。
可愛いw
おたのみなす|雲辺寺名物の縁起物
雲辺寺が雑誌に取り上げられる時は必ずと言っていいほど紹介されるのが「おたのみなす」の腰掛けです。
「親の意見と茄子の花は万に一つのあだもない」
なすの花は全て実になるということから縁起物とされています(66へぇ)
また、そのユニークな名前には参拝者の頼みごとが成す(なす)ようにとの意味も込められているんですって!
毘沙門天展望館|県境から眺める絶景
本堂から少し離れた高台にある毘沙門天像が特徴的な展望台。
当記事の最初に貼った風景写真もここから撮影したものです。
この施設の詳細は、また別記事に書く予定でござる!
五百羅漢|個人的に超興奮したスポット
個人的に雲辺寺の見どころとしてぜひオススメしたいのは、参道沿いに無数に並ぶ五百羅漢です。
この五百羅漢とは、釈迦入滅後の第1回、及び第4回の仏典編集会議、結集のときに集まったという500人の聖者のことです。
それぞれの像の表情や仕草があまりにもユーモラスで、僕は五百羅漢像だけで50枚以上も写真を撮っていしまいましたw
こちらも展望台同様、別記事にて詳細を書きますのでお楽しみに~
みろく堂(通夜堂)|室内に〇〇が生えている・・・だと
山門の横に立つのが「みろく堂」。
ここは野宿遍路の方のための宿泊施設・通夜堂も兼ねた施設となっています。
さて、このみろく堂は、他では中々見られないある特徴があります。
それは・・・
なんと、室内の床から大樹が生え、しかもそれが天井を貫通しているのです!
日本全国旅してきた僕ですが、こんなビックリ光景はそうそうお目にかかれません!
ってか、雨とか大丈夫なのかしら?w
雲辺寺へのアクセス
〒778-5251
徳島県三好市池田町白地ノロウチ763-2
その他情報
寺名 | 巨鼇山 千手院 雲辺寺 |
宗派 | 真言宗御室派 |
本尊 | 千手観世音菩薩 |
創建 | 延暦8年(789年) |
開祖 | 弘法大師 |
真言 | おん ばざらたらま きりく |
ご詠歌 | はるばると 雲のほとりの 寺にきて つきひを今は ふもとにぞ見る |
駐車場 | 普通20台(参道補修協力費が必要・普通車500円)
ロープウエー駐車場 |
宿坊 | なし |
電話 | 0883-74-0066 |
公式ブログ | 雲辺寺のブログ |
前後の札所
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by.ひだりゅー
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